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白霧のウミガメ と 花火


10072501.jpg


まだ暗い夜明け前
海に近づくにつれ霧がどんよりと濃くなり
すぐ目の前の車以外、何も見えない状況となってしまった。

海ではしばらく様子を見ていたけれど
いくつかのポイントでは霧がまだまだ晴れず
結局そのまま、真っ白な霧の海へと入っていく。
波の状態はすぐ目の前の波打ち際で割れる波のみ確認できるけれど
その向こうの沖の波の状態がわからない。
本当ならばこんな時に海に入るのは、危険なのだろうと思っている。

何度か入って少しだけその場所の特徴を知っているので
手前で割れる波から、その奥の波を想像し
流れやすい方向、波がぶつかり合う場所を思い出しながら沖へと漕ぎ出す。

真っ白な世界の中にはちゃんと波があって
思ったほどまだ流れもないのでホッと安心するのも束の間。
これほどの濃霧に囲まれたのは初めて、しかも人もいなく、音もなく
しばらくすると怖くなってしまった。

こう感じる事が自然で
知っているようなふりをして海に浮かぶには
私はまだまだ経験が少な過ぎるなあ、とあらためて深く思い知らされるのでした。
というか、こんな海に入ってはいけない気がする。

「パイレーツ オブ カリビアン」 に出てきそうな幽霊船が通ったっておかしくない
そんな雰囲気の、重く深い白い霧の世界。


10072508.jpg

波の様子を見てまわろうと、長い海岸線を歩いていく。
すると近所のご夫婦がワンコのお散歩に来ていたようで
でも、なにやら様子がおかしいのです。
通り過ぎようとしてチラリと見てみると
大きな岩のようなものの前で、なにやら話し込んでいるよう。

ん? 違う。
・・・ウミガメだ!

なんと大きなウミガメが、砂浜で海に向いたまま、じっと動けないでいるのです。
どうしたのですか、と事情を聞いてみると
産卵しに浜にあがったウミガメが、力尽きて動けなくなったようだ、と。

見ると浜の奥の方に↑このようなタイヤ痕。
すごい、あちこち動き回った様子がわかりますね。
このキャタピラーの跡のようなものは、全部このウミガメの足跡なのですよ。
途中で何カ所か、留まり砂をかけた跡があったので
きっとその下には、ピンポン玉のようなたくさんの卵が隠してあるのでしょう。

海の方向がわからなくて動き回って力尽きたのでは?という推測。
海まであと10メートルもない場所で、海に向かった姿勢で、かろうじて呼吸をしている。
最初は開いていた眼も、いつの間にか閉じ
喉の皮膚が少し膨らんだりへこんだりするために
生きている事がなんとか確認できている、といった状況。

ご主人が警察に電話をかけてみると、
事故があるからその処理が終わってから来ます、との返答。

とても大きなウミガメ。
いったいどれくらい生きて来たのだろう?

一歩一歩必死で歩いたであろう、その力強い足跡と
いくつもの命が眠っているであろう砂の山の跡
じっと眼を閉じ、静かに呼吸を続ける動けない母親

その生生しい光景を前に
言葉に変換出来ないおおきなものが、私の身体のなかいっぱいに広がって
何かがつきあがってくるのがわかった。

10072502.jpg

100kは超えるであろうウミガメの、そのどっしりした身体をどうしようと
しばらく何もできないままそこにいた。
いまだ濃霧の海。

それにしてもウミガメは
人間達に囲まれて、怖くはないのかしら?
もう少し離れていたほうがいいのかしら?
言葉で話せないのがもどかしく、なにか信号を送っていないものかと観察してみる。


そのうちに数人のサーファーの影を見つけ
皆で海に返そうという事になった。


10072504.jpg

海に入ったとたん
力のなかったはずのウミガメは、嬉しそうに浅い場所をくるくると
ゆっくりゆっくり移動している。
甲羅のうえに積もっていた砂と、無数の気味の悪い虫たちは水に流された。

久しぶりの海の水を、じんわりと堪能しているようにも見える。
時折、片足を海面から高くあげてバシャバシャと水を叩いていて
なんだか 「バイバイ」 とやられているようで、その愛らしい動きがたまらなくよかった。


10072505.jpg

じっと見ていてあげればよいものを
浅い場所でアッチコッチとやっているウミガメを見た人が
「戻って来ちゃうよ」 と焦り始めた。
そして「ヨイショ、ヨイショ」 とウミガメを沖に向かって押し始めたのです。

私はその光景が可笑しくてたまらず、声に出して笑ってしまったのですが
それを見たひとりのサーファーが
「なんかさあ、おかしいよな、あれ。カメにはカメのペースがあるのにね。」
と、私と同じ事を考えていたようです。

この光景を見て、「ウサギとカメ」 の童話を思い出した。

なんというか、
せっかちな現代文明人と自然界の関係を象徴しているような
そういう光景だったのですよ。


10072506.jpg

ヨイショ、ヨイショ・・・


拍手で無理矢理? 沖へと後押しされたウミガメ。
無事に泳いでいるかなあ。
今頃、どこにいるのかなあ。

碧く深く壮大な海を想い
私の気持までどこかにひろがっていくようです。

元気でね。
そして、たくさんの子ガメたちも
無事におおきくなってくれますように。


10072511.jpg

長く白い霧の世界からやっと解放され
波乗りを終えた私は、いつものゴミ拾い。

少し歩いただけで、すぐにいっぱいになるゴミ袋。

このような浜に、ウミガメは卵を産みにやってきてくれるのです。

ウミガメウミガメ、と見ると喜ぶのに
平気でゴミは放置して、拾おうともしない
猛暑だ猛暑だ、暑くていやだ、などと言うのに
エネルギーを必要以上に消費し、つくり出すことばかり考えている

ウミガメと出会えたためか、いつも以上にいろいろが頭のなかを駆け巡り
静かに憤り、また自分自身を考え直す私です。


10072510.jpg

さきほどまでの濃霧からは想像出来ない、別世界
でも、どちらも本当の、現実世界なんだなあ。

まるで異次元を行き来したような、この日。






10072514.jpg

家の近所の坂の上から
遠くの川沿いの花火大会を見る事ができます。
家にいてもその爆音はものすごくて
大好きな花火につられて、ついついその坂上まで足を運んでしまう。

花火のなにに惹かれるのか、という話の中で
アメリカ人は花火の「火」そのものがエキサイティングでスバラシー、となるのに対し
日本人は、火の消えていく、その儚い美しさや間に惹かれるのだ、とあった。

そうそう、そうだよなあ、と思い返しながら
日本人的感性も備わっていて本当によかった、としみじみ感じていました。

月も雲間に美しく、まさにそれだよなあ、と思いながら。


白い濃霧、ウミガメ、夏のきらめく海、花火
一日でたくさんの世界をめぐり、こころが震えているようです。
「感動」 ってチープな言葉でなくて
こういう日は、なんと表現すればピタリとくるのかしら?
と、貧相な語彙力にトホホとなりながら、
今日この一日を感謝で終える事ができたのです。


すばらしい日でした。
ありがとう。












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Author:kei1205
keiです。

見上げる空、花の色やかたち
光の変化や肌にあたる空気。
店先で手にとった果実
ビルのむこうに沈む夕陽。
なにげない日常のなかにあふれているうつくしさを
ひとつひとつ大切に思っています。

日々、感じたことなど。
流れ変化する自分の感覚を、記していきます。

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