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言葉のない 部屋

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その閉ざされた部屋は、
粉雪が舞うなか何かが降りてくるような
繊細で美しい、神聖な空間でした。
一定のリズムを刻んでゆくステップ
力強くやさしい指が導き出すライン
つんざく機会音さえ、心地よい旋律に変えてしまう・・

初めてのボードシェイプ見学は、まるで洗礼を受ける儀式のような体験でした。
— 大貫 透さんと一緒です。



数日前の私のフェイスブック投稿記事
これらの言葉を選ぶことが やっとだった。
これらが すべて。



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いよいよ 私のサーフボードのシェイプが始まる。
この時を、どれほど待ち焦がれただろう。

眼の前には 私の名が書かれたフォーム

「うれしい」 だけではない、様々な感情や想いが一気に溢れ出し
胸がつまり 呼吸する事が苦しかった。

「波乗りが大好きだけれど
 どのようなサーフィンをしていきたいのか わからない」

このような無謀なお題を ずっと一緒に考えてきて下さった人。
Action Glass Works 大貫透さん

彼の手によって、また新しいボードが誕生するという 瞬間


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いきなり大きな刃のノコギリが動き始める。

厚みのあるものを垂直な断面に切る事は 難しい。
それを体験的に知っている私は、この最初のひとこまで 
完全に作業に釘付けになってしまった。

なんて大胆 なんて美しいのだろう・・


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アウトラインが現れたときから、その断面をきれいに均す作業は始まる。

これからきっと、どんどんと削っていくであろうに
このような大まかな形状のときから、すでに仕上げに入っているかのような繊細な作業。

最初のアウトライン決めがいかに大切なのかを解らされる時。


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作業中、
とおるさんは何も話さないし、私も話したいとも思わない。

どこをどう削っていくのか、その工程を見ていると
このボードのコンセプトがはっきりと見えてくる。
言葉で説明されるより、よほど解りやすいということを 理解した。


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いつものように 工場のなかの大音量

iPadから流れる曲と 作業の音と
これらふたつが聞こえると、なんだか妙に落ち着いた気持になるから 不思議。


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削っては確認し 確認しては削って整えて のくり返し

波に乗るとおるさんの顔とは 別の表情をみた。
その眼は いくつもの美しい曲線を見いだし
その指が 何通りもの不思議なラインを描いてきたのだろう。


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重い機械を腕の延長として扱う姿に
どれだけの重労働なのだろうと思わされる。

それをひと月に何本もこなしてゆく 体力と気力と精神力

荒い息づかいと、じんわりとした熱気が 確かにこちらに伝わってきた。


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とおるさんの作業が ある一定のリズムのなかにあることに気がつく。
それは以前、ラミネートの作業を覗き見していた時にも見つけていた。

リズムにのって動くということ
調子良いステップが生まれ 
仕事はそのうえで、スムースにテンポよく 進められてゆく。


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そのうち、ボードがしなってくることに ビクリとした。

「もう、やめてください!」

薄くなり、ボヨンボヨンと動き始めるフォームをみて
何度、この言葉が出そうになったか・・

そのような現象はおかまいなしに、
すっかり薄くなってしまった そこだけを攻め続けるのですね。


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その眼で確かめて

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また、確かめて。

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途中、複数の来客と電話対応 そして休憩と称してフィン制作・・

そのようななかで トータル2時間半から3時間くらいだっただろうか。
「やばいよー、こんなにやっちゃった」
という、私にとっては嬉しいお言葉。

気持がのって、予定よりもついやっちゃった、
という解釈でよろしいでしょうか??

この日 80パーセント終わったという、このあとには
仕上げに向かっての、とても繊細な作業が待っているよう。

こうやって見るんだよ、と言って消された部屋の照明、
それによりくっきりと現れた陰影から、ボードの細かな形状を浮かび上がらせ
不必要な部分を修正してゆく、という具合。

なんて細やかで、なんと妥協のないことだろう。


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この指で この腕で
あの、すばらしいボードたちが生み出されてきたのですね。

そうして、私のボードもそこに・・

フォーム選びの大切さ
その構造がどうなっているのか
その特徴を踏まえた上でのボードシェイプ
どこをどういう順番で削り出すのか
どこを落とすことで、なにが起きるのか

実は削り出す前に 
考えておかなくてはならない事が あまりに多いことに驚いた。
それが、後のサーフボードの仕上がりに大きく影響してくる。

想像力

どのような仕事もそうだけれど、
想像し、想定し、結果さえも見据えたうえで始まりを決める、
サーフボードのシェイプも、同様なのですね。



あまりにすばらしい工程を見せつけられて
私はいまも、それに見合う言葉を探せないでいます。
ですから今回は、深い感想は言えません。

予定通りなら明後日には、ボードシェイプは完成するでしょう。
その時に、なにか見つけられたならば また書こう。



想い起こすと まだ別世界にいるような、厳粛な気持になります。

とおるさん、ありがとうございます。



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Author:kei1205
keiです。

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ひとつひとつ大切に思っています。

日々、感じたことなど。
流れ変化する自分の感覚を、記していきます。

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